大阪府が実施しているバイオガソリン「E3」の普及事業が“頭打ち”の状態になっている。橋下徹知事も積極的にPRし昨年度の利用台数は当初の目標を達成したが、今年度以降、E3を供給する新たなガソリンスタンド(GS)の設置は予定されていない。GSの8割が大手石油業界の系列で、E3事業を扱うことに消極的であることが大きな要因だ。また4月から電気自動車の一般販売が始まったことや、昨年の事業仕分けで「事業縮減」を突きつけられたこともあり、逆風を受けている。
E3は廃材木から抽出したエタノール3%をガソリンに混ぜた燃料。大阪府は環境省の委託を受け平成19年から実証事業を開始。この種のバイオ燃料として世界初の商業利用となった。 20年8月から一般車への供給が始まり、E3を供給するGSは現在、大阪府内14カ所のほか鳥取、和歌山など計20カ所に設置されている。橋下知事もPR看板に自ら登場するほどの入れ込みで普及に一役買った。 大阪府地球環境課によると、昨年度の利用台数は延べ約66万台で、「目標の50万台を超えた」としているが、新たなGSの設置の予定はないという。 大手石油元売り業者の大半が加盟する「石油連盟」(東京)が、「E3は水が混入しやすく粗悪なガソリンを生む」として、協力を拒否しているからだ。ある大手系のGSは「E3を販売すると、ガソリンの供給を止めると言われている」と内情を打ち明けた。 現在E3を供給しているGSは独立系か、大手系列から離脱したところばかり。府内にはGSが約2000店あるが、E3を扱うGSは1%にすぎない。 さらに、昨年の事業仕分けで、「石油業界の抵抗にあってのんびりやっていては、いずれ電気自動車に置き換わり無駄になる」と指摘され、「事業縮減」とされた。 大阪府の事業は23年度までの5年。これまでに環境省から委託金、約40億円が投入されている。このためE3の価格は5月16日時点でレギュラーガソリン136円(1リットル当たり)とほぼ同等の134円を維持できている。 だが、「委託金というゲタが外されたときにどうなるか。普及には価格も大きな要因になっている」(府地球環境課)と将来性への懸念の声も聞かれる。 北海道大大学院の小川英之教授(応用熱工学)の話「E3では二酸化炭素削減の効果は薄く、せめてエタノールを10%入れるE10までもっていかないと、コスト面を考えても普及拡大は望めない。石油連盟が主張している品質面でのトラブルも克服すべき課題だろう」 【関連記事】 ・ 大阪府、知事公用車をバイオ燃料化 E10に対応 ・ 捨てていた半分…ミカン搾りかす、バイオ燃料に ・ バイオ燃料、先走る期待 国「200万キロリットル」調達に懸念 ・ ミドリムシの大量培養に成功 ユーグレナ・鈴木健吾さん(30) ・ 戦闘機もエコ! 米軍が開発、バイオ燃料で音速突破へ ・ 少子化を止めろ! ・ 介護者を支える「ケアラーズ連盟」発足へ(医療介護CBニュース) ・ 九州訴訟でも救済案示さず=B型肝炎訴訟で国側―福岡地裁(時事通信) ・ 体力テスト結果、大阪府は市町村別のみ公開(産経新聞) ・ 川底からダンベル、遺体につけた重り? 鶴見川女性殺人(産経新聞) ・ 参院選、公約採点見送り=指定市長会(時事通信)
by wfcftj2i33
| 2010-05-18 20:20
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